久々に、というか初めて広告プラットフォーム事業の現状についてブログで書きます。今日は当社がリリースしているスマホSSP(Supply Side Platform)である「Adstir」視点からです。
昨年9月にアドネットワークのスイッチングを最適化する仕組みとしてスマホメディア(ウェブとアプリの両方)事業者さん向けに提供を開始しました。
どのアドネットワークで広告を配信するのが一番広告効果を最大化できるのか、というのを監視しながら実際に最適化を容易にする機能に加え、アドサーバー機能を持って世に出したサービスです。
そしてこの4月より当社のDemand Side Platformである「Bypass」がリリースされたことで、アドネットワークのスイッチング機能+アドサーバー機能に加えて、RTB(Real Time Bidding)(※1)による広告配信が可能になりました。
PCの世界でちょっとずつ拡大しつつあるRTB市場。リアルタイムで、枠ではなくインプレッション単位での広告入出稿が可能になる訳ですが、スマホにフォーカスをしたRTB機能としては日本では当社が先んじてスタートしました。
スタートして約4ヶ月が経ち、現在Adstirでは35億から40億Bid程のトラフィック量になってきています。
SNSサービス1社の月間トラフィック量と同じかちょっと越えるぐらいになりました。
その中で、スマホRTB広告の現状をお話しすると
・CPM(※2)100円以上の入札も行われている
・メディアさんとしてCPMを高める上ではCTR(※3)が重要
・RTBはメディアの価値が多角的に評価され、その価値と同等の対価が得られる
・アドネットワークによる広告収益が年初からみて下がってきているメディアさんもある中でRTBという新しい広告収益手法はタイミングとしては合っている
・いままでアドネットワークでは特定の広告クライアントが多かったが、RTBでは多種多様なクライアントが出稿してきている
・特にPCでRTB広告出稿しているクライアント(ECや不動産・人材等)が一気に出稿をスタートしている。逆に、CP(※4)系の出稿主はまだ少ないかもしれない
・スマホ広告市場を牽引していたアドネットワークの単価が不安定になっている状況からか「スマホRTBを一度試してみたい」という声が弊社営業に寄せられている
・弊社では35億から40億bid程になってきているが、上記市場の流れからアドネットワークへ「広告枠」を預けていた今までの形式からRTBアドプラットフォーム事業者へ「入札在庫インプレッション」として預ける形式がさらに増えて行くように思える
CPC(※5)広告とRTB広告をうまく活用して、メディアのマネタイズ最大化に成功させるメディアが今後多く出てくると思う
・ただ媒体によってはCPC広告が合う場合もあり、またRTB広告が合う場合もある、まずはどちらも試して収益評価を行い、 最適なマネタイズ構造へ再設計していく事がベターなのでは
とまあ初めて4ヶ月ですが、試行錯誤や課題がありながらも日々RTBによる広告取引がどんどん、どんどん伸びてきているのが現状です。
当然スマホの台数が増え、スマホのトラフィックが増えている中で当然ですね。また広告主の皆さんも、スマホを重要なデバイスとして捉えている以上、広告出稿額が増えるのも当然です。
メディアさんにとっては広告収益を最大化する選択肢として、そして広告主さんにとっては届けたい人に届けたい情報を届けてより広告効果を高める選択肢としてのRTB。
PCやガラケーとは異なる成長を遂げてきたスマホ広告市場において、その他のアドネットワークやリワードといった広告商品と合わせてRTB市場どう成長をさせて行くか。また更にスマホであることを最大限に生かした広告モデルが今後どう発展し、どういう形になるのか。
スマホRTB広告No.1を実現しつつ、新たなモデルの追求をし続けて行きたいと思います。
どこかのタイミングで今度はDSPについて書いてみます。
※1:
RTB (Real Time Bidding)RTB 広告とは、広告の買い手(広告主、出稿主)が、メディア(媒体)の広告枠を入札形式でインプレッション毎に買い付けを行う広告技術
※2:CPM Webサイトの広告掲載料金の単位の一つで、掲載1000回あたりの料金。これに掲載対象ページの閲覧数(ページビュー)を乗じて1000で割ったものが広告掲載料金となる。
※3: CTR インターネット広告において表示された広告がどれだけクリックされたかを表す値のことである。単にクリック率と呼ばれることも多い。CTRは、広告がクリックされた数を、広告が表示された回数(インプレッション数)で割ることによって導くことができる
※4:CP
コンテンツプロバイダーの略
※5:CPC
ネット広告の掲載料金の単位の一つで、クリック1回あたりの料金。Webページやメールに掲載したテキスト広告やバナー広告などがクリックされ、顧客サイトに訪問者が訪れるとCPC1回分の料金が発生する。
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