2012.08.30

世界で勝てるサービス?

金子 陽三
代表取締役 兼 執行役員
金子 陽三

今から10年程前に、僕はシリコンバレーのベンチャーキャピタルであるDraper Fisher
Jurvetson
(以下DFJ)のシンガポール法人で働いていました。1999年にグローバルファンドを立ち上げた当VCは、シリコンバレー、ロンドン、そしてシンガポールから世界各国の会社に投資をしていました。

彼らの投資方針は世界で一番になれるネットサービス。世界で一番といっても色々な定義があるかと思いますが、ざっくり明快に言うととにかく「世界」で「一番」になれる会社というのが投資基準でした。

当時DFJのベンチャーキャピタリストは全世界で20名弱でした。日本人は僕一人。

シンガポールオフィスは3人しかベンチャーキャピタリストがいなかったので、アジア各国の案件をみんなで担当するのですが、日本の投資案件は当然のように僕が担当していました。

日本でのプレゼンスはそれほどなかったので、それ程投資案件は多くありませんでしたが、結局一件も投資委員会に諮ることはしませんでした。

すごく当たり前なのですが、日本の会社は日本語でサービスを提供します。するととたんに世界で一番にはなれなくなってしまうのです。欧米の会社は当然英語でサービス提供するので、サービスの対象がそもそも世界中の英語人口になります。サービスの対象人口がそもそも違うのです。

マーケットを意識しているしていないの問題以前に。中国で最大の検索サービスの会社になったBaiduに投資をしていましたが、中国語オリエンテッドなサービスではあるものの、中国語人口を考えると世界で一番と言っても良い(Googleが中国で上手くいっていなかったのもあり)会社になるポテンシャルを持っているという判断ですね。

当時ファンドから投資をしていたBaiduSkypeのもの凄い成長スピード、スケールの違い、そして日本企業に投資することが出来なかったという経験が、今僕が何とかmotionBEATで本当の意味で世界で使われるサービスを作りたいと心底思う源泉になっています。

時代は変わり、スマートフォンが普及し、そのプラットフォームがグローバルになっています。

これだけ肌身離さず日常的に使うデバイス。でもPCより小さいデバイス。よって言語依存度が低く、とにかく使いやすいユーザーインターフェースが求められる世界。

例えばYahoo! Japanのサイトをインド人がインドから使うことというのは全くあり得なかった訳ですが、スマートフォンの世界だと、例えばLINEのように日本から生まれたサービスでも世界中にユーザーを広めるサービスが出てきています。

スマートフォンを通じたサービス事業者にとっても、僕たちのような広告事業者にとっても、モノのデリバリーを伴わず、これだけ一気にグローバルな環境が整った中でサービスを提供出来る機会というのは、歴史を紐解いてもかつてない機会だと思っています。

広告事業においては、人類史上(大げさな表現にはなりますが)初めて、本当の意味で

グローバルな広告機会を目の前にしていると思っています。

今年の4月より当社でも海外事業部を設置しました。海外のSSPDSP事業者との連携、

海外のトレーディングデスクや広告代理店との連携を一気に加速して行きます。

ということで、全世界よーいドン!で一気に拡大しているスマートフォン広告市場で

パラダイムシフトを起こし続けて行きたいと思います。



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金子 陽三

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