2016.02.03

2016年3月期第3四半期の決算について

金子 陽三
代表取締役 兼 執行役員
金子 陽三
本日、2016年3月期第3四半期の決算発表を行いましたので、このブログでも概要を説明します。
<決算サマリー>
第3四半期(累計)の決算サマリーと致しましては、以下の通りです。
・連結売上高:  8,025百万円(前年同期比32%増)
・売上総利益:  2,812百万円(前年同期比85%増)
・営業利益:   1,320百万円(前年同期比501%増)
・経常利益:   1,485百万円(前年同期比216%増)
・当期純利益:  1,403百万円(前年同期比98%増)
前年同期と比較して第2四半期から継続して大幅な増収増益で着地致しました。
第2四半期同様、投資先の上場に伴うファンド運用益が増益に貢献しましたが、
第3四半期の決算において特筆すべきことは、ユナイテッドの注力事業の一つであるアドテク事業の
急成長です。
2015年7月30日に行いました業績予想の修正においてご説明した通り、今期は投資先の上場に伴い
インベストメント事業において大幅なキャピタルゲインが発生したことにより、期初の業績予想を
大きく上回る修正予想を発表する一方で、インベストメント事業で創出した利益を
スマートフォンアプリ事業において事業構造転換として取り組んでいる積極投資サービス
(「CHEERZ」並びに「ネイティブソーシャルゲーム事業」)、
そしてアドテク事業に積極的に投資を行う旨の意思決定を行いました。
その事業成長に向けた取り組みが着実に結果となって表すことができた四半期になったと
言えます。
<アドテク事業について>
今回のエントリーでは大きく成長を遂げたアドテク事業から説明致します。
第3四半期累計で前年同期比31%増収となり、四半期推移でみると前年同四半期比64%増収、
前四半期比でもなんと52%の増収で着地を致しました。
これまでも継続的かつ順調に成長を遂げてきたユナイテッドのアドテク事業ですが、
第3四半期においてまた一段と大きく事業のステージを切り替えるような成長が実現できたと
考えています。
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ユナイテッドのアドテク事業は下記の3つの戦略に基づいて取り組んで参りました。
①成長市場のスマホ領域に特化
言うまでもなく成長するスマホ広告市場。ユナイテッドは業界に先駆けていち早くスマホ特化型の
自社広告プラットフォームであるDSP「Bypass」とSSP「AdStir」をリリース致しました。
リリース後約4年弱が経ち、広告配信システムの改善、ロジックの最適化、ノウハウの蓄積、
広告在庫の増大を行い、先駆者として市場の成長の波とともに拡大してまいりました。
②オープンプラットフォーム戦略
2012年4月のサービス開始以降、「Bypass」と「AdStir」はオープンプラットフォーム戦略をとり、
他社様が提供する数多くのSSP/DSPとの接続を積極的に推進してきました。広告効果を優先し、オープンな
取引を行うことで、競争力のあるプロダクトに成長してきました。市場拡大に加え、他社様のDSP/SSPが
成長すると自社のSSP/DSPも成長を遂げるという好循環なエコシステムを構築することができております。
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③一気通貫のサービス体制
ユナイテッドのアドテク事業はDSP、SSP、そして広告代理事業の3つのレイヤーから
構成されています。広告主様、メディア様、そして他の広告代理事業社様と一気通貫で
直接やり取りができ、多面的な観点から機能開発・改善、そして各取引先様への
価値提供が実現できます。また、新機能のテストや効果検証が自社で迅速に完結して
行えます。
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これらの戦略が功を奏し、アドテク事業全体がプラットフォームとして成熟し、
市場拡大とともにこの第3四半期に力強い成長を遂げることができました。
第4四半期は広告需要期ということもあり、今後も継続して成長を見込むとともに、
来期以降の成長に向けた様々な施策をしっかりと打ち出していきたいと考えています。
<スマートフォンアプリ事業について>
昨年度まで当社のスマートフォンアプリ事業の収益の柱であったアフィリエイトメディア事業を
はじめとした短期的に収益を生み出すアプリ群から、中長期的に大きく成長が見込めるアプリ事業群
(積極投資サービス:「CHEERZ」や「ネイティブソーシャルゲーム」)への積極的な事業構造転換を
継続的に行って参りました。
第3四半期累計で前年同期比23%の減収となり、四半期推移でみると前年同四半期比22%減収となりましたが、
前四半期比では14%の増収と、積極投資サービスの事業成長に伴い下降トレンドから反転し、増収トレンドに
入ったと認識しています。第4四半期以降も引き続き増収を計画しています。
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2016年3月期上半期に事業構造の転換を図り、計画通り積極投資サービス(「CHEERZ」並びに
「ネイティブソーシャルゲーム」)中心の売上構成へ移行を進めております。
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その中でも出資先であるワンダープラネット社との共同事業であるネイティブソーシャルゲーム

「クラッシュフィーバー」は昨年7月のサービス開始以降、着実にゲームバランスや課金要素の改善が進み、
収益化が進展しております。
2016年1月には150万ダウンロードを突破致しましたが、非常に高いアクティブ率を誇るゲームに育ってきて
おります。プロダクトの改善が進んだことで、課金率やDARPU(1日あたりのユーザー平均課金額)の上昇に
伴って広告費の回収確度が高まってきております。今後もサービスの改善やユーザーの動向を鑑みながら、
状況に応じて積極的なプロモーション施策を検討・実施して参る所存です。
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また子会社であるヒッポスラボ社が提供する「モンスタービート」についてはプロダクトの改善を継続するとともに、
来期リリース予定のクリエイティブフロンティア社との共同タイトル「アイドルコネクト」の開発を推し進めるなど、
ネイティブソーシャルゲーム事業での投資を継続してまいります。
CHEERZにつきましては継続してサービス拡充を優先しながら、「コアユーザー数×カテゴリー増」による
収益増を目指し、積極的に事業成長に取り組んで参ります。
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第3四半期は短期収益型のアプリ事業群から積極投資サービス中心の事業構造への転換の足がかりをつかんだ
四半期だったと考えています。「CHEERZ」や「ネイティブソーシャルゲーム」など、中長期で爆発的な成長を
遂げられるようなアプリ事業群へのシフトを第4四半期以降さらに加速できるよう邁進していきます。
<今後の事業方針について>
2016年3月期も最後の第4四半期を残すのみとなりました。今期は注力事業であるアドテク事業の成長と
スマートフォンアプリ事業の事業構造の転換に注力してきた1年でした。
一方で来期以降の成長を見据え、ユナイテッドの喫緊の経営テーマとして本年より
「中核事業の量産」
と、それを実現するための
「リーダーシップ人材の早期育成」
を掲げています。
その取り組みの一環で、本日併せて発表致しましたが、キラメックス社ならびにSmarprise社の
子会社化を実施しました。キラメックス社の子会社化につきましてはこちらもご参照下さい。
ユナイテッドはこれまで経営統合を経て、事業ポートフォリオを拡充するとともに、自ら新しい事業を
生み出し成長させたり、投資先企業と連携して新規サービスを創出することを行ってまいりました。
引き続き注力事業であるスマートフォンアプリ事業ならびにアドテク事業を成長させるとともに、
今回のようにユナイテッドの築いてきたアプリ開発力、プロモーション力、そしてこれまで自らの経営統合を
通じて培った企業統合のノウハウを生かし、更に事業成長が見込める事業、そして優秀なメンバーを抱える
スタートアップに対するM&Aといった選択肢を含め、より一層の成長を志向していきます。
既存注力事業の一層の成長と、将来の中核事業となりうる新規事業の量産に向け、ユナイテッド一丸となって
引き続き邁進していく所存です。
引き続きご支援の程、よろしくお願い申し上げます。
ご意見・ご感想ございましたら、下記アドレスにお送りください。
press@united.jp
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