2016.05.10

2016年3月期通期決算について

金子 陽三
代表取締役 兼 執行役員
金子 陽三
本日、2016年3月期通期の決算発表を行いましたので、このブログでも概要を説明します。
<決算サマリー>
通期決算サマリーと致しましては、以下の通りです。
・連結売上高:11,131百万円(前年同期比34%増)
・売上総利益: 3,525百万円(前年同期比67%増)
・営業利益 : 1,509百万円(前年同期比307%増)
・経常利益 : 1,663百万円(前年同期比165%増)
・当期純利益: 1,579百万円(前年同期比186%増)
2015年7月30日に上方修正いたしました業績予想、
売上高 :11,500百万円〜13,500百万円
営業利益:1,500百万円〜2,000百万円
に対し、売上高は下減に達しなかったものの、主にインベストメント領域における投資先の上場に伴う株式売却益と、広告領域における自社広告プラットフォームの成長により、前期比では大幅な増収増益で着地いたしました。
合併を通じてユナイテッドとして船出をきったのが2012年12月。
以降、継続的かつ順調に増収増益トレンドを継続しております。
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また配当につきましては、株主還元方針「連結配当方針20%程度」に従って、期末配当を5円実施し、通期では14円の配当となる予定です。
(前期の通期配当5円から9円の増配)
<アドテク事業について>
今回のエントリーでは大きく成長を遂げたアドテク事業から説明致します。
売上高は通期で前期比45%増収となり、四半期推移でみると前四半期比では21%の増収、対前年同四半期比ではなんと82%の増収で着地をいたしました。
これまでも継続的かつ順調に成長を遂げてきたユナイテッドのアドテク事業ですが、成長が加速した第3四半期に続き、第4四半期も広告需要期の波にも乗って成長を継続することができました。
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ユナイテッドのアドテク事業は下記の3つの戦略に基づいて取り組んでまいりました(前回の決算に関するブログエントリーでも書きましたが再掲します)。
(1)成長市場のスマホ領域に特化
言うまでもなく成長を継続しているスマホ広告市場。ユナイテッドは業界に先駆けていち早くスマホ特化型の自社広告プラットフォームであるDSP「Bypass(バイパス)」とSSP「AdStir(アドステア)」をリリース致しました。
リリース後約4年弱が経ち、広告配信システムの改善、ロジックの最適化、ノウハウの蓄積、広告在庫の増大を行い、先駆者として市場の成長とともに成長を続けてまいりました。
(2)オープンプラットフォーム戦略
2012年4月のサービス開始以降、「Bypass」と「AdStir」はオープンプラットフォーム戦略をとり、他社様が提供する数多くのSSP/DSPとの接続を積極的に推進してきました。広告効果を優先し、オープンな取引を行うことで、競争力のあるプロダクトに成長してきました。市場拡大に加え、他社様のDSP/SSPが
成長すると自社のSSP/DSPも成長を遂げるという好循環なエコシステムを構築することができております。
(3)一気通貫のサービス体制
ユナイテッドのアドテク事業はDSP、SSP、そして広告代理事業の3つのレイヤーから構成されています。広告主様、メディア様、そして他の広告代理事業社様と一気通貫で直接やり取りができ、多面的な観点から機能開発・改善、そして各取引先様への価値提供が実現できます。また、新機能のテストや効果検証が自社で迅速に完結して行えます。
これらの戦略が功を奏し、アドテク事業全体がプラットフォームとして成熟し、市場拡大とともにこの2016年3月期通期を通じて力強い成長を遂げることができました。
今期2017年3月期においても、ユナイテッドの注力事業の一つとして継続して成長トレンドを実現できるよう様々な施策を展開していく所存です。
<スマートフォンアプリ事業について>
2015年3月期まで当社のスマートフォンアプリ事業の収益の柱であった、アフィリエイトメディア事業をはじめとした「短期的に収益を生み出すアプリ群」から、2016年3月期は「中長期的に大きく成長が見込めるアプリ群(積極投資サービス:「CHEERZ」や「ネイティブソーシャルゲーム」)」への事業モデルの転換を積極的に行った1年となりました。
通期では前年同期比21%の減収となり、四半期推移でみると前年同四半期比15%減収となりましたが、前四半期比では9%の増収と、積極投資サービスの事業成長に伴い2016年3月期第2四半期をボトムとして、下降トレンドから反転し増収トレンドを継続しております。
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中でもワンダープラネット(株)との共同タイトルであるネイティブソーシャルゲーム「クラッシュフィーバー」が、成長を牽引し、積極投資サービス群の売上が急成長を遂げております。
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その「クラッシュフィーバー」ですが、昨年7月のサービス開始以降、着実にゲームバランスや課金要素の改善が進み、収益化が進展しております。
2015年11月中旬頃より徐々にセールスランキングが上昇し、2016年1月末の「初音ミク」コラボ以降、40~80位付近を推移するなど、プロダクトの改善の成果が着実に現れてきております。
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本日、決算と併せて開示いたしましたが、プロダクトの完成度やKPI(Key Performance Indicator:課金率などの各種指標)の推移を鑑み、第一弾のテレビCMを中心とした大型プロモーションを実施いたします。
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さらに、海外進出を行うことを意思決定しており、その第一歩として台湾、香港などで使用される繁体字版をまもなくリリースいたします。今後、英語を始め、多言語展開も予定しており、日本のみならずグローバルでの成長にも積極的に取り組んでまいります。
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また、「モンスタービート」を昨年リリースした子会社のヒッポスラボ社につきましては、同社の全役職員がユナイテッドへ転籍し、社外のパートナーと培ってきたゲーム開発・運営のノウハウと共にユナイテッドの開発体制強化を推し進めることにいたしました。
なお、クリエイティブフロンティア社との協業タイトル「アイドルコネクト」につきましてはより一層のプロダクトの強化を目的としてリリース時期を今春から今夏へと後ろ倒しました。
リリースをお待ち頂いている ユーザーの皆様には大変申し訳御座いませんが、より良いプロダクトを皆様にお楽しみ頂けるよう、引き続きサービス開発に邁進してまいりますのでもうしばしお待ち下さい。
<2017年3月期の事業方針について>
2016年3月期は、インベストメント領域で創出した利益を、注力事業であるアドテク事業の成長とスマートフォンアプリ事業の事業構造の転換に投資を行い徹底して事業構築に取り組んできた一年でした。
2017年3月期につきましては、これらの投資活動をしっかり事業成長として実らせていくべき一年と認識しております。
アドテク事業につきましては、市場の拡大を背景に、独自の強みを活かしさらなる成長を継続させていく所存です。ユナイテッドの中における安定的かつ骨太の利益創出事業として位置付けております。
一方、スマートフォンアプリ事業につきましては、事業モデルのシフトを前期中に完遂したという認識のもと、今期は「クラッシュフィーバー」への大型プロモーション投資を実施し、今期以降本サービス中心に利益の飛躍を目指すと共に、将来の収益の柱となりうる内製ならびにパートナーシップを通じたプロダクト開発を継続して推進してまいります。
また、インベストメント事業につきましては継続して新規投資を行うと共に、今後も収益貢献をできるよう、市場環境を鑑みながら投資先育成・イグジット支援を行ってまいります。
各事業における方針は上記の通りでございますが、先述の通り、売上ならびに事業指標が順調な「クラッシュフィーバー」におきまして大型プロモーション(テレビCMおよびネット広告)ならびに本格的な海外進出に関連する投資を本年5月中旬より実施する恵沢となっており、特にプロモーション投資の効果予測が困難であるため、業績予想は現時点では非開示とさせていただきます。これらの投資効果が一定の精度で判明できた時点で速やかに業績予想を開示する予定です。
「日本を代表するインターネット企業になる」
というビジョンの実現に向け、中核事業の成長とビジョンを体現できる組織作りにユナイテッドは発足以降挑戦し続けてまいりました。
2017年3月期は、そのビジョンの実現に向けてユナイテッド全体のステージを大きく引き上げるべき非常に大きな一年になると考えております。今期もユナイテッド一丸となって事業成長と企業価値の向上に向け邁進してまいります。
株主各位、取引先の皆様始めステークホルダーの皆様におかれましては引き続きご支援の程、何卒よろしくお願いいたします。
ご意見・ご感想ございましたら、下記アドレスにお送りください。
press@united.jp
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