2020.09.17

生き方を問う

早川 与規
代表取締役社長 兼 執行役員
早川 与規

今回は私早川が、長らく愛読している日経ビジネスの記事をきっかけに考えたことについて書きます。

日経ビジネス2020年9月14日号の記事「編集長インタビュー 経営は『生き方』を問え」で、野中郁次郎・一橋大学名誉教授の言葉が掲載されています。「行き過ぎた分析主義が企業の『野性味』奪う。徹底した知的コンバットでやり抜く力を鍛えよ。」という見出しのインタビュー記事の中で、日本が国際競争力を失った原因として、「行き過ぎた分析主義」という指摘をされています。

(以下、記事より引用)

「何事も理論ありきで、『オーバーアナリシス(分析)』『オーバープランニング(計画)』『オーバーコンプライアンス(順守)』に陥りました」

「かつての日本的経営の良さの一つは、未来に向けた筋書きを共有しながら、従業員一人ひとりがリーダーシップを発揮し、自立分散的に試行錯誤しつつ前進していくことにありました。人間の野性味から出る創造性、臨機応変に決断・実行する実践的知恵が劣化しているのは確かでしょう」

「我々が本来持っている潜在能力を引き出す経営とは何かを、改めて考える必要があります」

「危機を打開する鍵は人間の生き方です。『おまえ、どういう生き方をしたいのか』という目的が根本にない経営は空理空論でしかありません」

「共感を得るための人間の生き方のような哲学です。それがないと、分析的にきれいな戦略ができても、何より実践が伴わない」

(引用以上)

企業経営をする上で、理論や分析はもちろん欠かすことが出来ないのですが、確かに行き過ぎた分析主義という指摘については常に注意が必要であり、思わずドキリとしました。理論だけが先行して、いつのまにかそこに哲学や、やり抜く力がなくなってしまっている、野性味が失われているというような組織状態は、我々が最も目指したくない状況の一つです。

そのような組織状態では、仮に何かが分析や計画から外れてうまくいかなかった場合に、ついつい自分たち以外の何か他の外部要因に理由を求めてしまい、失敗から学ぶこともなくなってしまいます。そのような状況に陥ることのないよう、経営者として、ユナイテッドのメンバー各個人が持つ潜在能力を存分に引きだしたいと決意をあらたにしました。

ユナイテッドという組織を、理論や分析といった左脳的要素と創造性や情熱といった右脳的要素のバランスが取れた「人と事業が育つプラットフォーム」にする上で非常に重要な気づきをいただきました。私自身はもちろん、年齢や社歴、役職等に関係なく日々どういう生き方をしたいのか各自自問自答し、かつ、それについて意見交換できるような組織にしたいと思います。

我々は「挑戦の連続によりあたらしい価値を創り出し、社会に貢献する」をミッションとして掲げています。ベンチャー企業として挑戦を続けることは当然として、多くの挑戦から新しい価値創造を行い、そしてそれが社会から必要とされる、引き続きそんなユナイテッドを目指しています。同時に、8年前にユナイテッドとしてスタートする際に議論したこのミッションこそが、私自身が目指す生き方の道しるべとなっています。

20年以上インターネット事業に関わり、経営してきた者としては、今でも新たな事業を検討する際に「成長市場で事業を展開する」「収穫逓増型のビジネスモデル」等を原理原則として考えています。このような経験値から得られた左脳的要素も大切にしつつ、一方で、ユナイテッドに集うメンバーと、お互いに「どういう生き方をしたいのか」といった人間の本質についても議論を重ねて、より強い組織と事業をつくりたいと思います。

現在の在宅勤務を中心とした働き方においては当然メリット・デメリット両面あるものの、人間の生き方について議論するというようなテーマについては(あくまで)現時点では不向きかもしれません。今後イノベーションによってコミュニケーションの質も劇的に進化することが予想されますが、それを待つことなく、不向きだから避けて通るということのないように創意工夫を凝らしていきます。

我々の今年度の全社テーマはコーポレート・トランスフォーメーション(CX)です。CXとは、企業そのもの形態や、事業、組織、働き方などの総体を根本的に進化変態させることです。新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止のために社会全体が大きな価値観の変化を求められており、同時に我々ユナイテッドグループ自身も成長期待事業であるDXプラットフォーム事業を中心とした企業体に変化しようとしている現在は、CXに取り組むベストタイミングと言えます。大きな変革期を迎え、CXに取り組む中で左脳と右脳のバランスが取れた経営判断をしてまいります。

次回私の本ブログでは、当社のCXについて執筆予定です。この場でも良いご報告ができるよう、引き続きグループ役職員一同努力を続けてまいります。

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