2020年も残すところ僅かとなりました。
今年は新型コロナウイルスによって、年初には全く予想しえなかった一年となりました。
ユナイテッドにおける大前提としては、新型コロナウイルスの感染拡大を出来る限り防止し、社内のメンバー、そしてユナイテッドに関わる社外の皆さまへの感染拡大防止を第一にした意思決定を行ってきました。さまざまなご理解、ご協力をいただき、幸いにして社内でも大きな混乱なく組織を運営することが出来ました。
そして何より、私たちの日常生活をいまも変わりなく支えてくださるエッセンシャルワーカーの皆さまに、あらためて感謝を申し上げます。
社会環境の大きな変化の一方で、ユナイテッドとしてトランスフォーメーション(進化変態)をすべく、このタイミングを前向きに自己変革する機会と捉え、事業ポートフォリオと働き方を大きく方向転換しました。
<事業ポートフォリオ>
まず、事業ポートフォリオについて再度ご説明します。これまでも当ブログで他の役員も含めて何度かご説明してきましたが、今年度より事業ポートフォリオを絞り込み、DXプラットフォーム事業に再注力する形に戦略変更をいたしました。
ユナイテッドとしてスタートを切ったのがちょうど8年前の2012年12月でした。以来、継続的に成長を続けることを前提に、目線を下げずにチャレンジングな目標設定を行いつつ、組織運営をしてまいりました。
ユナイテッドとしての初期は、アドテクノロジー事業、スマートフォンアプリ開発事業、インベストメント事業を中心に着実に業績を伸ばすことができ、ギリギリの黒字からスタートした営業利益も15億円前後まで成長しました。その後、さらなる事業成長を追求すべくゲーム事業に参入、加えて、2年前から事業ポートフォリオを一気に拡大し、インターネット事業領域において広く可能性を追求しチャレンジをいたしました。
しかし、残念ながら成果を出すことが出来なかった事業からは、昨年度から今年度上半期にかけて撤退を行いました。事業を絞り込んだうえで、本年度より、今後大きな成長が見込まれるDXプラットフォーム事業を核として成長を目指す戦略へと変更いたしました。
足元では、樋口社長率いるキラメックス株式会社が、オンラインプログラミングスクールTechAcademyを中心に急成長を続けています。成長期待事業であるDXプラットフォーム事業において、第2第3の成長事業を産み出すべく注力しております。
<新しい働き方>
次に、働き方を大きく変えました。ユナイテッドでは、現在、部署毎に週1回の出社日を設定し、出社日以外は原則在宅勤務としています。これは前述した通り、まずはユナイテッドのステークホルダーの感染防止・健康維持を第一にした判断でした。しかし、我々が成果を最大化するうえでこの働き方が合理的かつベストな選択であるという判断のもと、新型コロナウイルス収束後もテレワークを中心とした働き方とします。既にオフィススペースも新型コロナウイルス感染拡大前の約半分としました。
もちろん現状の在宅勤務にも課題はあります。我々ユナイテッドにとっての課題は、
1.ゼロから何かを産み出す際のハードルが上がる
2.新卒社員を中心とした経験の浅いメンバーの育成が困難である
という2点に集約されました。
上記1に関しては、単に不慣れであるという要因もあると思います。時間の経過と共にコミュニケーションがスムーズになり、オンライン経由でゼロから何かを産み出せるようになるという事もあると思いますし、ツールなどの活用によって解決可能になると思います。また、緊急時でなければ、必要に応じて集まることで解決可能です。何かを産み出す為に常に共同生活をする必要はないと考えます。
2つ目についてはDXソリューション事業担当執行役員の米田を中心に、若手を育成する仕組みも再構築しました。社会人の初期段階で地力をつけるには非常に良い仕組みであると思います。(詳細については後日、米田のブログでお伝えできればと思います)
<組織カルチャー>
そして、事業ポートフォリオの変更や新しい働き方に移行するうえで必要となるのが、組織カルチャーの変革です。私は経営における「緊急ではないが重要なこと」の筆頭が、組織カルチャーづくりとその浸透であると考えます。
社会全体も我々ユナイテッド自身も大きく変化するなかで、先日、スタンフォード大学経営大学院教授のチャールズ・A・オライリー教授の組織カルチャーに関するオンライン講演(NewsPicks主催)を拝聴する機会がありました。
この講演のなかで私が最も印象に残ったのは、カルチャーは戦略に紐づいた形で必要に応じて適切なものに変化させる必要がある、という点です。過去の成功体験に紐づいた組織カルチャーに固執せず、事業内容や戦略の変化に応じてむしろ積極的に変革することが必須であるという点は大きな学びとなりました。
講演中、マイクロソフトのナデラCEOの「我々には常に自己革新を続けるカルチャーが必要だ。キーとなるのは学習し続けることと、改善し続けることである」という言葉も紹介されており、近年の同社再躍進の原動力を垣間見ることができました。
カルチャーとは組織における「行動パターン」のことであり、それは変えられるということ。そして、行動パターンが変われば、行動規範が変わり、価値観も変わってくるといった内容でした。組織のカルチャーを診断するには、「親しい友人があなたの会社に入社しようとしている時に、その友人に対して、この組織においてはどのようなことが称賛されるのか、また、どのようなことをすべきでないのか、といったことについてあなたがアドバイスする内容を想像すればよい」という点も非常に腹落ちする内容でした。
現在のユナイテッドのバリュー(大切にしている価値観)は「チームユナイテッド」「自責自走」「チャレンジ」「コミット」「No. 1」の5つです。(是非、VALUE MOVIEをご覧ください)
現時点でこれらのバリューを変更する必要性はないと考えていますが、一方で、DXプラットフォーム事業を中心とした戦略に舵を切り、それに合わせて行動パターンとしての組織カルチャーを適切なものへと進化させる必要性を感じています。これまで我々が積み重ねてきた良い部分、維持すべき行動パターンは大切に、新しく変えるべき行動パターンはしっかりと自己変革をしていきます。
私個人としては新型コロナウイルスの影響で時間の使い方が変わったこともあり、社内でのコミュニケーションが増えた一年となりました。あらためてここから得られるものは大きい事を実感しており、今後もチームユナイテッドのメンバーとのコミュニケーションを通じて、新しい戦略と一致する強い組織カルチャーを再構築したいと思います。
幸いにして我々ユナイテッドは、変化に前向きにチャレンジできるメンバーで構成されているチームです。これまでの8年間も数多くの変化を経験してきましたが、今年度の事業ポートフォリオと働き方の方向転換は、過去最大の変化となりました。こういった変化の時、メンバー個々人の自律が求められる時ほど、チームユナイテッドの真価が問われる時となります。2021年は、前向きな変化の結果として、新しい事業ポートフォリオでしっかり成果を出しつつ、自己変革を継続する組織カルチャーを確立すべく、チームユナイテッド一同、前向きに取り組んでまいります。そして、新しい価値を創造できるリーダーやエキスパートを多く輩出し、社会に貢献したいと考えます。
2020年も、一年間どうもありがとうございました。
2021年も、チームユナイテッドをどうぞよろしくお願いいたします。
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