執行役員の米田です。
前回のエントリーから6カ月。早いものでDX(※)ソリューション本部は
立ち上がりから1年2カ月が経ちました。
今年度、多くのDX、新規事業、次世代マーケティングの実現に向けたコンサルティングを行ってまいりました。
当エントリーでは、当社のご支援の経験を通して感じた、デジタルを活用した企業変革の現在地と今後の展望についてお話ししたいと思います。
DXに関する認識
2018年に公開された経済産業省のレポートを起点に、日本における「DX」という言葉はメジャーになりました。
もちろんこれ以前にも、「AI」「ブロックチェーン」「ビッグデータ」など、さまざまなデジタルに関するバズワードがもたらされ、世界中の企業の変革を迫る論考が枚挙に暇がないほど発表されました。
こうした論考の本質は、「これまでの競争優位性を無力化する各種デジタル技術を活用できなければ、競争力を保持できない」ということだと理解しています。
デジタイゼーション、デジタライゼーション、デジタルトランスフォーメーション(DX)という三段階で
デジタルの活用度を定義する場合が多々あります。
いずれも基本的には、デジタルを活用して企業を変革した結果として、取り組んだ内容がDXに当てはまるのかどうかを後付けで整理したものに過ぎないと考えています。
立ち返るべきは、「将来の競争力を保持するために何を行うべきか?」ということです。
その結果、取り組んだ内容がデジタイゼーション、あるいは、デジタライゼーションでも構わない、というのが当社としての見解です。
DX検討に関する現在地
DX戦略は、本質的な戦略議論、あるいは、競争力向上に向けた各種議論の結果、
合理的な変革プランになっていれば全く問題ないという前提です。
しかし、多くの企業では
- 本来はビジネスモデルの変革を目的にしたはずなのに、十分にやりきれず、業務プロセス改善にとどまってしまった
- 中長期の戦略やあるべき姿の議論を始めたものの、十分に議論の目線が合わず、
デジタルの活用に関する議論まで到達しなかった
など、意図せざる形で妥協してしまったり、十分な腹決めができなかったりすることが多いと感じています。
これが本質的な変革を遂げる際の最大の課題だと思っています。
もちろん成功裏にDXを遂げた会社も多くあります。そうした会社は、
- 業績が急速に悪化し、経営層全員の危機意識が醸成され、大きな企業変革に対して一丸となって取り組む素地があった
- 経営者や株主が交代し、新たなリーダーシップを取るタイミングだった
のいずれかに当てはまるケースが少なくないはずです。
突き詰めれば、こうした状況に陥る原因は、
「中長期的な戦略に関するマネジメントの姿勢」
「デジタルによる競争環境の変化とその影響に関する理解度」が根底にあるのではないかと考えています。
今後の展望
では、今後デジタルを活用した企業変革はどのようになるのでしょうか?
国内でDXという言葉が叫ばれるようになって、早3年。
大変なバズワードになったおかげで、多くの企業でたくさんの取り組みが試行されたはずです。
取り組みを進めたリーダーの中には、掲げた変革を達成することができた方も、十分な成果が得られなかった方もいると思います。
今後は、特にうまく成果を創出できなかった企業に顕著かもしれませんが、
より本質的にデジタルを活用した変革を遂げるために、経営レベルでの議論の活性化に向けた取り組みが加速すると我々は考えています。
その実現に向けて必要なのは、中長期の競争環境を見立てたり、
自社に与える影響の考察を行ったりするだけではありません。
執行体制、社内外含めた取締役構成を見直し、並びに、現場組織におけるケイパビリティ強化を進め、
より本質的にデジタルを組み込んだ経営を実現するための取り組みが加速するのではないかと思っています。
当社は、企業変革に向けた支援、並びに、デジタルに関するリテラシー向上を支援するソリューションをご用意しております。
ぜひ企業の皆さまとの対話を行い、本質的な競争力向上を支援できればと思いますので、今後ともよろしくお願いいたします。
※デジタルトランスフォーメーション(Digital Transformation、略称「DX」)
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること(経済産業省)
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