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「成功したベンチャー企業から学ぶ DX」ウェビナーレポート

「成功したベンチャー企業から学ぶ DX」ウェビナーレポート

皆さんこんにちは!
ユナイテッド広報の江川です。

今回は、2020年8月14日に開催されたウェビナー「成功したベンチャー企業から学ぶ DX」のレポートをお届けします。ゲストには、株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー 高宮慎一氏、株式会社メルカリ 取締役会長 小泉文明氏を迎え、当社からは執行役員 事業戦略担当 米田 吉宏が登壇しました。

登壇者プロフィール


株式会社グロービス・キャピタル・パートナーズ 代表パートナー 高宮慎一氏

戦略コンサルティング会社アーサー・D・リトルにて、プロジェクト・リーダーとしてITサービス企業に対する事業戦略、新規事業戦略、イノベーション戦略立案などを主導した後、2008年9月グロービス・キャピタル・パートナーズ入社。2012年7月同社パートナー就任。2013年1月同社パートナーおよび最高戦略責任者(CSO)就任。2019年1月代表パートナー就任、現在に至る。東京大学経済学部卒、ハーバード大学経営大学院MBA修了。投資先には、アイスタイル、オークファン、カヤック、ピクスタ、メルカリ、ランサーズ、しまうまプリントシステム、ナナピ、タイマーズ、クービック、リブルー、ミラティブ、ファストドクター、グラシアなどがある。


株式会社メルカリ 取締役会長 小泉文明氏

1980年9月26日山梨県北杜市生まれ。早稲田大学商学部卒業後、大和証券SMBCにてミクシィやDeNAなどのネット企業のIPOを担当。2006年よりミクシィにジョインし、取締役執行役員CFOとしてコーポレート部門全体を統轄する。2012年に退任後はいくつかのスタートアップを支援し、2013年12月株式会社メルカリに参画。2014年3月取締役就任、2017年4月取締役社長兼COO就任、2019年9月取締役President (会長)就任。2019年8月より株式会社鹿島アントラーズ・エフ・シー代表取締役社長兼任。


ユナイテッド株式会社 執行役員 事業戦略担当 米田 吉宏

慶應義塾大学経済学部卒業後、 2010年株式会社電通入社。2013年ボストン コンサルティング グループ入社後、主に通信・メディア・テクノロジー領域の経営戦略策定、新規事業開発、営業戦略、組織戦略等を担当。プロジェクトリーダーとして従事した後、2019年3月ユナイテッド株式会社執行役員に就任(現任)。DXソリューションの立案/推進と、全社戦略/組織強化を担当。

 

ユナイテッド株式会社 執行役員 事業戦略担当 米田 吉宏
DX推進で陥りやすい 困難・対応方針

はじめに私の自己紹介と、ユナイテッドのDXプラットフォーム事業についてお話いたします。

私はもともとボストン コンサルティング グループと電通におり、企業側の変革支援を行っていました。現在はユナイテッドでDXソリューションご提供の推進責任者も担当しておりますので、今回はその経験を踏まえ話させていただきます。

ユナイテッドのDX プラットフォーム事業は、大きく分けて2つの領域から構成されています。1つ目は個人のトランスフォーメーション支援です。こちらは主にキラメックス株式会社が取り組んでいる領域で、個人に教育機会を提供しDXを推進する人材を輩出しております。

もう1つは、企業のトランスフォーメーション支援です。株式会社ブリューアスやユナイテッドが、アプリシステムの受託開発やコンサルティングを企業に提供しています。私が特に関わっているのはこちらの領域です。

ユナイテッドは、インベストメント事業やコンテンツ事業、ゲーム事業など様々な事業を展開しており、エンジニアやマーケターなど様々な人材がそろっております。そこで、これまでに培った人材基盤と事業のノウハウを活用して、戦略コンサルティングからアプリシステム開発の支援に注力し、推進しているという状況です。

DXプロジェクトにおける4つの困難とその解決策

DXプロジェクトにおける困難は、DXプロジェクトを行う前と途中で、大きく分けて3つあると思います。まず、実行の意思決定が遅れる/できないことに関しては、特に大企業で起こりやすい状況かと思います。

また、推進メンバーのモチベーション、コンディションが悪化することに関しては、長期のプロジェクトになればなるほど納期のずれ込みなども起きているのかなと認識しています。

また、プロジェクト推進メンバーのスキル/ケイパビリティが足りないことも良く起きる状況かなと思います。

プロジェクトの後でいうと、構築したものの定着しない/効果が発揮されないことが起き、いつの間にか誰も使わないシステムになっている事もよくあると思います。

まず、実行の意思決定が遅れる/できない状況に陥りやすい構造ですが、DXプロジェクトを推進しようとすると、顧客や経営陣など様々なステークホルダーと関わる機会が増えると思います。

例えば、顧客の皆さまからすれば、「本当にほしかったものなのか」「使いやすいものか」という潜在的な問いを満たしているのか?は非常に重要ですし、経営陣から見れば目的やROIが適切なのか?という懸念をぶつけられることがあると思います。

関わるステークホルダーが増えても、多くの期待や懸念をマネージしながらプロジェクトを推進していくことが、リーダーに求められる役割だと思います。

 

DXを推進するチームは企画や開発など、多様なメンバーで構成されます。様々なバックグラウンドを持つメンバーが集まっているので、互いを理解しながら常に目的を共有し、DXを推進していくことが必要です。

 

 

プロジェクトメンバーのスキル/ケイパビリティが足りないという課題もよく聞かれますが、これはDX推進には広範囲に及ぶスキルが必要とされることに起因しています

目的・戦略・KPIはもちろん、コミュニケーションやマネジメント、プロセスの設計など様々なスキル・知識が求められます。

十分な体制を自社で融通できない場合には、外部パートナーの協力を得ることも必要です。

 

続いて、構築したものの定着しない/効果が発揮されないことに関してです。こちらは、如何にPDCAサイクルを継続的に回せるか、ということが重要だと思います。

初めから上手くいくことはなく、まず実際にやってみてその時々の状況に合わせて常にアップデートできる事が求められます。

まとめ

最後に、まとめです。

まずはとにかく、プロジェクトの目的を明確化させた上で、全ての意思決定を行っていくことが何よりも重要です。

また、プロジェクトを進める上では、ご自身の当たり前を振りかざさず、チームメンバーが一番活躍しやすい状況を作る意識が必要です。

そしてプロジェクトメンバーのスキル/ケイパビリティが足りない場合には、必要に応じて外部パートナーとも連携しながら進めることも求められます。

最後は、常に価値を増やしていくという視点を大切に、PDCAサイクルを回していくことが重要というお話をさせて頂きました。

私のパートは以上になります。

 

三者対談

そもそも、DXとは何か

米田:それではここから第二部の対談に入っていきたいと思いますが、本題に入る前に、小泉様と高宮様のお二人が考えるDXの定義についてお聞かせください。

小泉:働き方はもちろん業務全般のアップデートに、いかにデジタルを組み込むかということだと思います。例えば、ハンコをなくすことが目的ではなく、決済のフロー全体をシンプルにして競争優位性を高めていくことが重要という話ですね。

高宮:DXは最近出てきてバズワードだと思うのですが、これって何十年も前からベンチャー企業や古い業界の変革として言われていることですよね。まさに小泉さんがおっしゃるように、企業が更に成長したり、競争優位性を強化するために、上手く新しいケーパビリティを取り込むことだと解釈しています。いよいよコロナで、社内会議はもちろん営業のプロセスまで、 あらゆる事象でのDX化が待ったなしという状況だと思いますね。

DX推進の落とし穴

高宮:陥りやすい落とし穴としては、トップが現場に「何かやれ」と丸投げしてしまい、本当の目的や理由が分からないまま形だけのDXが進んでしまうことですね。既存事業にテクノロジーなど新しいケーパビリティを取り込んでアップデートするのか、周辺領域の事業領域を取り込むのか、それとも全く新しい飛び地となる事業領域に進出するのかなど目的の明確化が求められます。トップの戦略性と、コミットが重要だと思います。

米田:確かにある種こうした「バズワード」が生まれると、トップが何を達成したいのかが伝えられることなく、結局現場の検討だけに時間が使われることも少なくないようです。国語として「目的」を明確化し、ステークホルダーとの合意した状態でプロジェクトをスタートすることは必須だと思います。

コーポレートDXの推進において大切にしていること

米田:先ほどトップが目的を明確にする必要があるということで、小泉さんはコーポレートDXにおいて気を付けていることはありますか。

小泉:社員のパフォーマンスの上げ方を大事にしていますね。中でも、2回同じことをやるときは、自動化・仕組化できないかというのは常に考えています。これはCTOの口癖でもありますし、エンジニアが多い会社なので、効率化を重視したマインドはあると思います。

また、大企業とベンチャーのDX事例を一つ紹介します。メルカリ便では、ヤマト運輸さんとの仕組みを組み合わせた配送方法があります。実はこの仕組み、最初ヤマト運輸さんも自社にその技術を使っておらず、そもそも担当の方はその技術があることを知らなかったんです。私は前職の経験からたまたまその技術があるだろうと思い聞いたところ、やはり持っていまして、今回上手く組み合わせられることなったんですが、そもそも自社の技術や強み、リソースを理解できていないことはあるあるだと思います。大企業のアセットをアセスメントすることも重要だと思いますね。

DXを磨きこみ続けるコツ

米田:DXを推進してもそのシステムが使われなくなってしまうこともあるようです。磨きこみ、定着させるために大事なことを教えていただきたいです。

小泉:前提として、難しいものは受け入れられないというのがあると思います。代表の山田がよく言ってるのが「ひとつ技術を足すなら、ひとつ減らせ」ということです。複雑化することで人はどんどんついていけなくなってしまうので、何か技術を足す際は慎重になることが必要ですね。

高宮:何が会社のコアになるのか理解することは大事ですよね。今やっていることを単純に外部連携や外部サービスでリプレースすればいいという訳ではなく、将来からの逆引きで、戦略から落とし込んで、この業務は自社の競争優位になるから内製で磨き込み続ける、この業務はコモディティだから外部調達するという判断が必要ですね。

 

小泉:例えば、買収した鹿島アントラーズは紙をすべて廃止し、コモディティされたプロダクトを導入しています。Slackの導入など、やはり最初は社員も戸惑うんですが、結局便利だなと感じて受け入れてくれるので、恐れずに実行していくのが良いと思います。

DX推進に求められる人材要件

米田:お二人が考える、DX推進に求められる人材要件がありましたら教えてください。

小泉:会社の中で複数部署またがって業務をしてきた方や、吸収力のある方が良いのかなと考えます。また、やはり自社で完結するのは難しいので、外部パートナーに発注し、そこから何を学べるのか意識して協働すると、1、2年で社員も育つのではないかなと思います。

高宮:私は起業型人材が必要だと思っています。実際の起業の経験が必要ということではなく、当たり前を疑い、何か新しい価値を生み出していくような人材が必要なのだと思います。場合によっては、ルーチーンを守ろうとする組織の慣性が立ちふさがるかもしれませんが、それをぶち破るマインドが必要だと思います。

米田:周りに働きかけられる人材であるというのは私も同意です。DXにおいて、会社の業績や将来性を作っていくことへのコミットメントが高くないと、プロジェクトの遂行は難しいと思います。知識やスキルは、外部のパートナーさんとご一緒するうちに身につくと思いますが、たとえ少々失敗しても会社のために乗り越えていこうと思える人が推進すべきだと思います。

まとめ―DX推進のアドバイス―

米田:最後に今回のウェビナーのまとめとして、お二人からDX推進において大事なことをお聞かせください。

小泉:今後どの企業も、テクノロジーを活用しないと競争優位性を確保できないというフェーズに入ってきてると思います。どのテクノロジーを使って最初はどこから手をつければ良いのかという戦略が重要です。おそらく今日参加してくださった方は会社から DX をリードしていくことが求められている方が多いと思いますが、たとえ文系出身者でも最低限の技術を学び続けていくことが大事だと思います。 

高宮:私はいつもDXやオープンイノベーションの話になると KDDIの話をします。KDDI の何がすごいかと言うと、やはりトップのコミットメントの強さと、先にGiveしていればいつかは戻ってくるという長期目線のスタンスです。KDDIの高橋社長はスタートアップの連携などの際自ら最前線まで出てきて数十人のスタートアップのオフィスまで趣きます。また、スタートアップ向けのカンファレンスなどで常々「スタートアップの皆さんはKDDIのことは考えないで下さい。いかにKDDIを使って皆さんが成長することを考えてください」とおっしゃっています。とは言え、現場のDX推進のリーダーとしては、トップがまだあったまっていない時は、どうトップのコミットメントを引き出したらいいのだ、ということだと思います。その時は、コンサルなどの外部のパートナーや競合、他業界事例を紹介するなど、外部をうまくつかって自社のトップをあっためていくのだと思います。




以上、「成功したベンチャー企業から学ぶ DX」のウェビナーレポートをお届けしました。

DX推進において直面しやすい困難とその解決策、求められる人材要件など、様々な視点から分かりやすく解説をしていただきました。ユナイテッドでは今後も様々な豪華登壇者をお呼びし、DXに関するウェビナーを開催してまいります。

次回の広報ブログもお楽しみに!

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